会社携帯として社員にスマホを支給する場合、重視したいポイントはいろいろありますが、そのうちの一つは画質でしょう。画質が良いとスマホを使っていて気持ちが良いだけではなく、資料を高精細に見ることができます。ではiphoneとandroidスマホではどちらが画質が良いでしょうか。この記事では画質の定義を簡単に説明して、両OSの実力を比較して見たいと思います。

スマホの画質に影響する要素

スマホの画質に影響する要素

まずは、スマホの画質に関係する要素について説明したいと思います。画質という言葉はよく耳にするワードですが、「具体的にどのようなものかよく知らない」という人も少なくないでしょう。画質に関する説明は少し複雑なのでおおまかな説明になりますが、大切なポイントなので覚えておいて損はありません。

画質を知るうえで重要なキーワードになるのが「ドット」と「ピクセル」です。実はスマホやパソコンの画面は膨大な量の点が集まってできています。この点のことを「ドット」と呼びます。パソコンで写真を思い切り拡大すると小さくボヤーとしたマス目上のものが見えますが、これがドットです。 

そしてこのドットにいわば色をつけたものが「ピクセル」です(厳密にはドットとピクセルは違うが便宜的に同じようなものとする)。日本語だとピクセルは「画素」とも呼ばれますが、よくカメラの性能を表すときに「○○万画素」ということがありますよね。それがピクセルです。仮に1,000万画素のカメラがある場合、それは画像1枚につき1,000万のピクセル(画素)が使われているということです。

ピクセルの数が多ければ多いほど画像は高精細になります。100万画素のカメラよりも1,000万画素のカメラの方がきれいな写真が撮れます。

なお画質を表す別の言葉として「解像度」というものが使われることがあります。スマホのカタログなどで「解像度:2560×1440」といった表示を見ることがありますよね。あれはピクセルの数を示した数字で、この場合長辺が2560ピクセルあり、短辺が1440ピクセルあるという意味です。

iPhoneとandroidの画質の比較

iPhoneとandroidの画質の比較

ではiPhoneとandroidの画質のレベルはどの程度でしょうか?まずiphoneから見てみましょう。

iphoneの画質

iPhone3Gから現行のiPhone XS MAXまでのピクセル比を比べてみましょう。

機種 画面の大きさ ピクセル数
iPhone XS Max 6.5 inch 2688 x 1242
iPhone XR 6.1 inch 1792 x 828
iPhone X / XS 5.8 inch 2436 x 1125
iPhone 8 Plus/ 7 Plus/ 6s Plus/ 6 Plus/ 5.5 inch 1920 x 1080
iPhone 8 / 7 /6s / 6 4.7 inch 1334 x 750
iPhone 8 / 7 /6s / 6 4.7 inch 1334 x 750
iPhone 8 / 7 /6s / 6 4.7 inch 1334 x 750
iPhone5/5S/5c/SE 4 inch 1136 x 640
iPhone4/4S 3.5 inch 960 x 640
iPhone3G/3GS 3.5 inch 480 x 320

これを見ると、昔のiphone3Gと比べて最新機種がはるかに解像度が高いのが分かります。画面の大きさも大きくなっていますね。

androidスマホの画質

androidスマホの場合、OSはGoogle社が提供していますが端末は色々なメーカーから開発されているので、その質感も様々です。安いandroidスマホであれば1万円以下でも手に入りますが、高いものは何万もします。そのため、一概にiphoneとの画質比較ができませんが、ここではiphoneと価格帯がだいたい同じ機種を代表に画質を見てみましょう。

iphone Xの64GBタイプがauキャリアで約65,000円なので、その価格帯のandroidスマホとして「HUAWEI P30 SIMフリー」と比較して見ましょう。

HUAWEI P30 SIMフリーのピクセル比は「2,340×1,080」です。ここで改めてiPhone Xのピクセル比を見ると「2436 x 1125」となっています。iphoneの方が少しばかり上回っていますが、両者の差はほとんどありません。この価格帯のスマホになると画質が遜色なく、素人目にも相当きれいな発色をしているのが分かります。

では、価格がもっとずっと低いandroidスマホになるとどうでしょうか。代表として、ASUSの「ZenFone Live Simフリー(約13,000円)」と比較して見ましょう。この機種の解像度は「1280×720」となっています。さきほどのハイエンド機と比べると一気に解像度が下がっているのが分かります。

画質はそこまでこだわらなくても良い

画質についてあまり知識がない場合は、「とにかくピクセル数が多ければ多いほど画像がきれいになる」と思いがちです。そのため、フルHDとか4Kといった言葉に魅力を感じるものです。「ピクセル数の多さ=画質」というイメージは決して間違ってはいません。しかしポイントは、人間の目でどこまで認識できるかという点です。

写真をかなり拡大すればドットが見えるとしても、6インチ前後のスマホの画面では一定以上のドットないしはピクセルは見分けることができません。一般的には1280×720もあればかなりきれいに見えます。視力の問題や色認識には個人差があるので一概には言えませんが、一定以上のピクセル数に到達していれば、あとはそれほど差を感じることはないでしょう。

また、スマホと眼との距離感も「画質の良さ」に関係します。テレビの場合に特に言えますが、ある程度離れて画面を見ると、一つ一つのピクセルの大きさが相対的に小さくなるので、画像の粗さは目立たなくなります。むしろ画質が良くなります。また、同じ解像度なら画面の大きさが小さいほど画質はよく見えます。

このように画質の良さは一定上の解像度があれば良いので、会社携帯を選ぶときにはそこまで画質にこだわる必要はありません。実機を見てある程度美しいと感じればそれで十分です。逆に、眼で画質の見わけがつかないのに不必要に解像度が高い機種を選ぶと、処理面で端末の負担が増える恐れもあります。

ですから、画質だけでなくストレージの大きさや価格など、総合的な観点からスマホ選びをするようにしましょう。

まとめ

androidスマホとiphoneとの画質比較をしてみました。画質を示すピクセルやドットなどの言葉の意味を把握しておくと、画質の良さを判断するうえで役立ちます。とはいえ、一定以上の画質があればスマホのように画面が小さい端末では十分です。画質にこだわりすぎるとどうしてもスマホのスペックの高さが求められるようになり、それに応じて価格も高くなってきます。

基本的に、androidスマホは値段がピンキリですが、安いものでも解像度はそれなりに高いです。ですから実際の端末を見てある程度きれいだと感じれば、画質にそれ以上こだわりを持つ必要はないでしょう。