日本におけるスマホ用OSのシェアは長年iphoneなどに使われるiOSが主流でしたが、MMD研究所によると、2018年にandroidスマホのシェアはiphoneのシェアを上回りました。ただし年齢や性別によってはiphoneが上回っている場合もあります。特に若い人にはiOSはいまだに不動の人気を誇っています。

そのため、会社携帯をandroidからiphoneに変更したいという会社も少なくないでしょう。しかし、変更の際にはいくつかの注意点に留意しなければなりません。この記事では、変更時のポイントや変更のメリットなどをまとめました。

androidからiphoneに変更する時に注意点

androidからiphoneに変更する時に注意点

androidとiphoneはともにモバイル端末のOSとして不動の人気を誇っています。両者には機能面で似ているところが多々あるため、スマホに詳しくない人にとってはどちらも同じようなものに見えるかもしれません。実際多くのアプリが両OSに対応していることもあり、androidからiphoneに変更する場合の問題点はさほど意識されない場合もあるでしょう。

しかし、OSが違うスマホを会社携帯として使う場合は以下のような注意点があります。

注意点1:データ移行の問題

まずは、データ移行の問題です。AndroidからiphoneOSにデータ移行をする場合は、基本的にアプリなどを使って行います。例えば「Move to iOS」というApple社のアプリを使うと、ブラウザのブックマークやコンタクト、写真、カレンダーなどを移行できます。このアプリはAppleの公式アプリのため安全面で信頼できます。

しかし、アプリ内のデータを移行することはできません。iPhoneからiPhoneの場合はアプリ内移行ができないため、アプリ別にバックアップを取らなくてはならず、これをしないとデータが消失する可能性があります。

また、会社携帯の場合は関係ない可能性もありますが、ゲーム関連のデータやポイントなどはスマホの機種が変わることによって消失する恐れがあるので注意しましょう。

アプリのデータ移行方法

すべてのアプリは紹介できませんが、例としてLINEアプリのデータ移行方法をご紹介します。

社内スマホを持っている社員の間で、LINEを通じてメッセージのやりとりをする会社もあるでしょう。その場合にデータの引継ぎは重要です。基本的にはLINEの設定画面から行います。手順は以下の通りです。

  1. 設定画面の「アカウント」を開く
  2. 「メールアドレス」を開く
  3. メールアドレスとパスワードを入力→「OK」を押す
  4. メアドに届く認証番号を入力する

ただしトーク履歴やコイン残高、チャージしたLine Outのクレジットなどは移行できないので注意しましょう。

注意点2:おサイフケータイが使えない

現金の代わりに電子マネーやクレカ決済でサービスの支払いを行うのが人気になっていますが、実は、androidスマホで使えるいくつかの電子マネーはiphoneでは使えません。例えば、楽天EdyやnanacoやWAONなどは利用できないので、もし会社でそれらの電子マネーを使っているのであればその点に留意しましょう。

ただし、iphoneには「Apple Pay」という電子決済システムが搭載されています。ここにクレジットカードや公共交通の電子カードなどを登録することで、おサイフケータイのように使用することはできます。

注意点3:操作感が違う

androidユーザーが初めてiphoneを操作する時に違いを感じる場合は少なくありません。似通った操作方法もありますが、勝手が違うために戸惑う社員も少なからずいるでしょう。特にスマホ操作になれていない世代の場合は、せっかく慣れたandroidからiphoneに変わる時に作業に手間取る恐れがあります。操作が異なるいくつかの点をあげてみましょう。

・ホーム画面の設定
androidもiphoneもアプリのアイコンの配置をある程度変えることができますが、iphoneよりもandroidの方がホーム画面のカスタマイズ性が高いです。

・カーソル移動の有無
文字入力をしている時に、androidの場合は「→」「←」のカーソルボタンがついているので簡単に目的の位置までカーソルを移動できます。一方iphoneの場合はカーソルを移動させたい場所の付近を長押しして微調整しなければいけません。人によってはこの使い勝手の違いがストレスのもとになることもあります。

このようにandroidとiphoneには操作性が異なるポイントが色々とあるので、業務に関連した操作方法についてあらかじめ研修などを開くと良いでしょう。

androidからiphoneに移行するメリット

androidからiphoneに移行するメリット

会社携帯をandroidからiphoneに移行するのにはいくつかのメリットがあります。具体的なメリットをあげてみましょう。

メリット1:OSのバージョンアップ対応が良い

androidスマホの場合は、OSのバージョンが途中で止まってしまったまま使用し続けなければいけないことがあります。一方iphoneの場合は、最新OSへのバージョンアップが容易です。

このような違いが起きるのには理由があります。iphoneはAppleがOSや本体を開発しています。そのため、最新アップデートを端末に適用させやすいです。一方androidのOSは、Googleが開発していますが、端末は各メーカーが開発しています。そのため、バージョンアップへの足並みが揃えにくい背景があると言えます。

メリット2:セキュリティの堅牢性

一般的にandroidスマホよりもiphoneスマホの方がセキュリティ面が優れていると言われています。その理由の一つはアプリ審査にあります。Appleのアプリの審査は厳しく、開発されるアプリすべてが審査を通過できるわけではありません。それはandroidでも同じですが、両者を比べるとandroidの方が審査が甘い傾向にあります。

そのため、アプリを経由したネット上のセキュリティ被害がiphoneには出にくいです。

メリット3:モバイルsuica利用が無料

iphoneではおサイフケータイが使えないと説明しましたが、ApplePayを使ってモバイルsuicaを利用することができます。しかもApplePayなら年会費などはかかりません。androidでは約1,000円かかるので、この点ではiphoneに軍配があがります。社員が公共交通で出張することが多い場合、多少なりとも経費を節約できます。

まとめ

androidからiphoneに機種変更する場合の注意点を見てきました。大きな障害となるような問題はありませんが、スマホを使い慣れていない社員がいる場合や、データを移行したいアプリがたくさんある場合は多少手間や時間がかかる可能性があります。とはいえ、紹介した通りiphoneに機種変更するメリットもあります。

会社携帯は複数の社員が使うものなので、社員の意見を聞いたり、導入コストを計算しながら慎重にOSを選ぶようにしてください。