会社には様々な業者や業態がありますが、どの会社にとっても重要なのはやはりセキュリティです。最近はIT社会なのでオンライン上でデータをやり取りする機会が増えていて、スマホなどのモバイル端末をビジネス利用することも多いです。でもネットでのやり取りは便利な分セキュリティの問題も多いので、会社携帯で使うOSはやはりセキュリティを意識して選ぶ必要があります。

そこでこの記事ではiPhoneとAndroidの両方を比較して、どちらがセキュリティ面で優れているかを解説したいと思います。

iPhoneのセキュリティはどんな感じ?

iPhoneのセキュリティはどんな感じ?

まずはiPhoneの会社携帯としてのセキュリティレベルを見ていきましょう。一般的にiPhoneはアップル社のみが開発していることもあり、Androidよりもセキュリティ面で信頼が置かれやすいと言えますが、実際にiPhoneには以下のようなセキュリティ上の特徴があります。

・アプリ提供基準が厳格
基本的にスマホの様々なサービスはアプリケーションをインストールすることで利用できます。AppStoreには様々なアプリが提供されていて、ジャンルや種類もかなりバリエーションがあります。しかしこれらのアプリは誰でも自由に提供できるわけではありません。アップル社はiphoneアプリの提供に厳格な基準を設けているので、公開されているアプリは最初からセキュリティ度が高いです。

具体的なデータを挙げると、アップルストア上には毎週約10万点ものアプリ配信の申請があるようですが、そのうち24時間以内にほとんどの審査が行われ約4割のアプリがプライバシーやプログラム上のバグなどが原因で申請却下されています。つまり適当なアプリや脆弱性のあるアプリは公開されないようになっているということです。

会社携帯として使う場合は情報の機密性が非常に重要になります。大切な顧客のデータや決算情報などが外部に漏洩すれば大きな問題になってしまいますよね。でもiPhoneなら審査されたアプリだけがストア上にあがってきて、マルウェアなどの悪質なプログラムが入り込むことがないように徹底的に監視されているので安心です。

・サンドボックスの存在
アプリだけでなく端末本体の作りもしっかり考えられています。iPhoneはiOSというオペレーションシステムで管理されていますが、iOSの大きな特長の一つが「サンドボックス」です。サンドボックスは「砂場」という意味合いがありますが、これはiPhoneのアプリ専用領域の事です。

サンドボックスは外部からのアクセスが遮断されているために、外部から万が一悪質なプログラムが入ってきても他のデータやシステムに悪影響を及ぼすことができません。公開されているアプリそのものの安全性が確保されているだけでなく、仮に悪いアプリが入ってきてもさらに本体でデータが保護されるという2段構えのセキュリティが敷かれているので、会社携帯としては申し分ありません。

iPhoneでもセキュリティ問題はゼロではない

とはいえやはり人が作るものに完全なものはありませんし犯罪を犯す方にも頭の良い人間がいるので、iPhoneといえどもセキュリティにおいて完璧な製品であるとは言えません。ですからある程度会社側が自社で使っている会社携帯のセキュリティ対策を任意に施す必要があります。例えば以下のような点を意識すると良いでしょう。

・ウイルス対策ソフトを入れる
基本的にiPhoneはウイルスによる攻撃を受ける心配がありませんが、ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺などからすべて保護してくれるわけではありません。ウイルスが入り込めなくても詐欺サイトに誘導されてしまえばiPhoneのセキュリティシステムはもはや作動しません。ネット上のホームページでのやり取りはiPhoneの管轄ではないので、個人情報を誤入力する恐れはあります。

ですからセキュリティアプリを入れることでセキュリティを強固にする必要があります。カスペルスキーやマカフィーなどのセキュリティアプリをインストールすることで詐欺サイトへのアクセスをブロックしてもらえたり個人情報の収集から保護してもらえます。

・接続するネットワークを限定する
公共WiFiがあちこちで提供されていますがむやみに接続するのはリスクがあります。古いiOSを使っていればセキュリティ上の欠陥が発生する可能性もあるので、信頼できるネットワークにだけ会社携帯を接続するよう社員教育を徹底すると良いでしょう。

Androidのセキュリティはどんな感じ?

Androidのセキュリティはどんな感じ?

今度はAndroidのセキュリティレベルを見ていきましょう。Androidには以下のようなセキュリティ対策がほどこされています。

・サンドボックス
実は先述のiPhoneのサンドボックスですがAndroidにも実装されています。アプリ間で自由な情報の行き来ができないようにそれぞれのアプリは仮想の壁で覆われていて、例えばアプリ1が連携している連絡帳やストレージに対して、アプリ2が直接アクセスすることはできません。アプリ2はアプリ2でアプリ1とは別に連絡帳やストレージに別途アクセスする必要があります。

・Google Playプロテクト
「GooglePlayプロテクトサービス」はAndroid上のすべてのアプリを毎日自動的にスキャンして有害アプリからスマホ端末を保護しています。毎日50億以上のアプリをスキャンするという膨大な作業をこなしています。

AndroidはiPhoneよりもセキュリティが脆弱?

一般的にAndroidスマホとiPhoneスマホを比べた場合、iPhoneの方がセキュリティレベルが高いと言われます。両者のセキュリティを完全に比較して「どちらが優れている」と断言するのは難しいですが、傾向としてはAndroidデバイスの方がアップデートやセキュリティ関連のパッチを配布するのが遅いです。

またソフトウェア会社の「シマンテック」によると2017年に発見されたマルウェアは27,000種もありましたが、そのほとんどはAndroidを対象にしたものでした。こうした点を踏まえると、会社携帯としてセキュリティを最重要視するならiPhoneの方が無難です。

ただしこれは両者を比べた場合に「どちらかというとiPhoneが安全」というだけであり、Androidが会社携帯として不安というわけではありません。また先述のようにiPhoneを導入すれば絶対安心というわけではありません。どちらのOSを会社携帯として導入するとしても、信頼できるウイルス対策ソフトをインストールしたり怪しいサイトにアクセスさせないなどの対策を講じる必要があります。

まとめ

会社携帯としてiPhoneを導入するかAndroidを導入するかを決断する一つのポイントはやはりセキュリティ面ですよね。プライベートでスマホを使う時も個人データは重要ですが、会社のデータともなると量や影響力といった点で個人のそれとは比較になりません。

iPhoneもAndroidも信頼できるセキュリティ対策をほどこしていますが、現時点ではiPhoneにやや軍配が上がっています。とはいえ端末やシステムの安全性を過信せずに、ユーザーが自身でセキュリティへの意識を高めることも非常に重要です。